蒼い情熱が導く、あなたの極上な愛に酔いしれたら
『葵、いま大丈夫かな?もう澤井屋には到着した?』
「はい。先程到着しました。このままサロンへ向かえば良いですか?それとも、蓮さんの妻として挨拶が必要であれば…」
『それは大丈夫。葵の退職時に済ませてあるし、何かあれば僕が対応するから』
「わかりました」
『挙式と披露宴の日程が正式に決まったよ。サロンには伝達しておく。かなり短期間での準備になるから、慌しくなると思う』
「大丈夫です。不安も正直ありますけど…蓮さんについていきます」
宣誓の様に言うと、頼もしいな、と蓮さんは笑った。
『それと葵、今朝は朝食をありがとう。引っ越したばかりで食材は十分ではなかったのにまさか僕がシャワーを浴びている間に買い物に行くなんて』
「勝手しちゃってすみません…すぐ近くに24時間空いているお店があったので…」
『朝は直ぐに出ないといけなかったから、ゆっくり味わえずに申し訳ない。美味しかったよ』
結婚が決まって、離れて住んでいた間でも蓮さんが多忙な事は一目瞭然だった。
朝からしっかり食べて、一日のエネルギーになったら…って思って何とか限られた時間で用意できた。
料理は外食相手がいないから、ずっと自炊生活だったし、お母さんの勧めで料理教室にも通っていたことがあるから一般的な知識はある。