蒼い情熱が導く、あなたの極上な愛に酔いしれたら

「私、今まで本当に地味で日陰にいる生活を送っていたんですけど…思い切って初めて海外に一人旅をしたんです。男性に声をかけられるなんて私の人生にはなかった体験で、勿論、最初は警戒して怪しんでしまったんですけど…とても優しく紳士的にエスコートをしてくれて素敵な旅の思い出になりました」

「では、そこからお付き合いが?」


櫛山さんからの問いに、まさかあの一夜をそのまま説明することも出来ず…
でも、私の役目を改めて考える。
読者の方に憧れとなる花嫁を演じること。澤井屋のPRに繋げること。
どう伝えたら良いのかー…


「いえ…慣れない海外で同じ日本の方と、しかもこんなに素敵な方と会話やお食事も出来て一緒に過ごせた時間だけで楽しかったので、それだけで十分でした」

「奥様は蓮さんが新社長に就任した澤井屋にお勤めだったとお伺いしました。実際、蓮さんの事はご存知だったのでしょうか?」

「いえ、その時は澤井グループの方という事も新社長の話も何も存じませんでした」

「蓮さんは奥様が澤井屋にお勤めだったことは?」



< 71 / 76 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop