年上幼馴染の一途な執着愛
「夕姫は俺のことモテるモテるって言うけど、それ以上にお前の方が昔からモテてたから。だから毎日気が気じゃなくて、でも俺は彼氏でもなんでもないただの幼馴染ポジションだから、どうしようもなくて。そのもどかしさにまた荒れたりもした。全部自分の変な見栄とプライドが招いたことなんだけど、それを受け入れられなかったんだよな」

「……」

「だから物理的に夕姫から離れて冷静になろうって思って、都内の大学に進学して。一度は忘れられたと思った。だけど、夕姫も同じように都内に来て。また気持ちがぶり返しそうなところに、あの束縛男だろ? 心配で頭おかしくなりそうでさ。でもどうすることもできないから、正直就職した時に配属先が都内じゃなくて安心したくらいだ。それからは知っての通り」


日向のことは、大体なんでも知ってると思ってた。
だけど、本当は何も知らなかった。
日向がどれだけ私を想ってくれていたのかも、そのせいでどれだけ苦しんできたのかも。

彼氏と喧嘩したり別れたり、酷い目にあったり。そのたびに日向は私の心の奥底の悲しみに気付いて泣かせてくれたりした。"頼れるお兄ちゃん"でいてくれた。

その時、日向は一体どんな気持ちだったんだろう。
想像すると、あまりの切なさに苦しくて、どうにかなってしまいそうだ。
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