年上幼馴染の一途な執着愛
「じゃあ行こうか」


日向の言葉と共に車が発進し、ドライブデートを兼ねた帰省がスタートした。


今回は高速を通って最短距離で帰省予定だ。
というのも、式で着る予定の振袖は実家にあるから早めに帰ってサイズを確かめたいのだ。
最近太っちゃったし、もしかしたら着れないんじゃ……?
日向にそれを伝えたら、じゃあ早めに行こうと言ってくれて今に至る。
ダメだった時用に一応フォーマルなワンピースも持ってきたけれど、どうせならお母さんと一緒に和装で揃えたいのだ。
実家にはお母さんの訪問着もあるようだからそれにするのもありかもなあ……と思いながら窓の外の景色を眺める。
雲一つない快晴。
明日もこれくらい晴れてくれるといいな。


「どっか途中で寄ってくか。腹減った」

「そうだね。つまめるもの買っていきたい」


大きなサービスエリアがあったはずだからそこに行くことに決めた。


「でも、お兄ちゃんが結婚って、なんか変な感じする」

「そうか? 俺は二人揃って昔から知ってるし、ようやくかって感じ」

「それもそっか、日向は二人のことずっと知ってるんだもんね」

「あぁ。だから純粋にめでたいと思うよ。それに、星夜のおかげでこうやって夕姫とゆっくりデートできるから感謝してる」

「もー、今回の主役はお兄ちゃんたちだよ?」

「わかってるよ。でも最近ゆっくり会えてなかったし、嬉しいもんは嬉しいんだから仕方ねぇだろ」

「ふふっ、私も日向と一緒にいれて嬉しいよ」

「っ、……運転中で手出せないからってそういうこと……」


悔しそうにする日向が可愛い。
仕返しとばかりに運転中なのに左手で私の手を取った日向は、それを繋いだまま右手だけで運転を続ける。
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