年上幼馴染の一途な執着愛
「お、夕姫、サイズどうだった?」


ソファでは日向がお父さんと二人でお酒を飲んでいた。


「うん、大丈夫だったよ。それより二人とももう飲んでるの?」

「おじさんに誘われたんだよ。俺、明日はハンドルキーパーだから飲めないし」

「父さんは明日は緊張して飲めなさそうだから、今のうちにな。前夜祭みたいなもんだ」

「ふふっ、お父さんが緊張してどうするの」


主役はお兄ちゃんだし、別にバージンロードを歩くわけでもないのに。
何故かお父さんは今から緊張してるみたい。
一人で飲むのも寂しいから、日向を誘ったようだ。


「ユウも飲むか?」


お父さんにそう誘われて頷くと、当たり前のように日向が冷蔵庫からビールを持ってきてくれた。
三人で乾杯して一口飲んでいるとお母さんもやってきて結局四人で飲むことに。


「そういえば、お兄ちゃんのお嫁さんになる人ってどんな人なの? 私、なんだかんだタイミング無くて会ったことない」

「美春ちゃん? すごーく可愛らしくていい子よ。美春ちゃんのことなら、日向くんの方が詳しいんじゃない? お友達なんだし」

「日向、どんな人?」

「どんな……まぁ、物事はっきり言うタイプで明るい、かな。ノリが良くて常に周りに人がいるタイプ。あとは背がでかい。星夜とそんな変わんない」

「へぇー! そうなんだ! 私、仲良くなれるかな……」

「美春は人見知りするようなやつじゃないし、結構誰にでも分け隔てなくガツガツくるから夕姫が心配するようなこともないだろ。多分すぐ打ち解けられるよ」

「そうかな。良かった。楽しみだなあ」


美春さん。名前まで綺麗なお兄ちゃんの奥さん。
私にお姉ちゃんができるのか……。嬉しいなあ。楽しみだなあ。
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