年上幼馴染の一途な執着愛
夕食は私とお母さん二人で作った。
季節外れかもしれないけど、お母さんが食べたいからとお鍋にして四人で囲む。
話題はもちろんお兄ちゃんと美春さんの話で、高校時代の二人の話を日向がしてくれて盛り上がった。


「……星夜のことはもちろん嬉しいけど、お父さんとお母さんは二人の幸せな報告も楽しみにしてるからね」


お母さんが唐突にそんなことを言うから、驚いて日向と顔を見合わせる。
日向が何か言ったのかと思ったけれど、どうやら違うみたい。


「日向くんも、いい人ができた時は私たちにもちゃんと紹介してね?」


私たちが付き合い始めたなんて全く想像もしていないのだろう。
お母さんは嬉しそうに笑っており、日向も頷いた。


「もちろんです。二人は俺の両親も同然ですから」

「あら、嬉しいこと言ってくれるじゃない。ねぇ? お父さん」

「そうだな。俺たちにとっても日向くんは息子同然だ。近い将来日向くんが結婚するってなったら、俺泣くかもしれないな……」


すでに酔っているのか、しんみりと呟きながらビールを飲むお父さんに皆で笑った。


その後部屋に戻りボーッとテレビを見ていると、扉がノックされた。
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