年上幼馴染の一途な執着愛
「夕姫。好き」


私の不安が無くなるように、私の胸に渦巻くもやが無くなるように。
優しく、甘く、温かく。
日向のキス一つで悩んでいたことがどうでも良くなってしまう。
それくらい、いつのまにか日向のことが大好きで大好きでたまらなくなっていたんだ。
日向は私に"俺無しじゃ生きていけないくらいにしたい"って言うけれど。
もうすでにそうなっているなんて言ったら、どうなってしまうのだろう。


「なぁ、夕姫」

「ん?」

「今日はもうおばさんたち帰ってくるだろうし体調もあるだろうからこれ以上手は出さないけど。明日の夜、向こう戻った後……夕姫の家泊まってもいいか?それか俺の家に夕姫が泊まってもいい」

「え……でも、次の日仕事でしょ?」

「あぁ。だから夕姫が嫌ならやめる。ただ俺が夕姫ともっと一緒にいたいだけだから。もし一緒にいてくれるなら朝会社まで送るし。……ダメか?」

「ダメ、なわけないじゃん」


そんな風に言われたら、頷く以外にない。


「私も、日向ともっと一緒にいたい」

「夕姫」

「ね、日向。もう一回キスして?」

「……やっぱこのまま押し倒していい? 夕姫可愛すぎ」


優しく私をベッドに押し倒す日向。
ねっとりとした甘いキスに酔いしれて日向の手が服の中に入り込んできた頃。

玄関の鍵が開く音がして、私たちはどちらからともなく動きを止めて顔を見合わせる。


「……ふふっ、帰ってきた」

「やっぱり今日はおあずけだな。残念」


そう言いながらも日向はもう一度触れるだけのキスをして、


「疲れてるだろ。無理させてごめん。もうちょっと休んでな。俺が行ってくるから」


そう言って部屋を出ていく。

胸の高鳴りは、しばらく治ることを知らなかった。
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