年上幼馴染の一途な執着愛
「ごめんねこんな話。でも、だからこそ、今すごく幸せなの。ありがとう日向」


そんな、当たり前のことを思い出させてくれた日向に、感謝しかない。

笑ってお礼を告げると、日向は今までで一番優しくキスをした。
そのまま頬、額、目、鼻。顔中にキスを落として耳から首へ、下に向かって肩や鎖骨にまで。


「ん……日向……?」


全身にキスを落としていく日向に声をかけると、見つめ合うだけでとろけてしまいそうなほどに甘い視線が私を貫く。
ドクンドクンと高鳴る鼓動。

あぁ、その表情……大好きだ。


「俺は、誰よりも夕姫が大事だよ」

「……うん」

「俺は昔から口下手だし、初対面で夕姫を泣かせたクズで。この歳になるまで素直になれなくてずっと初恋拗らせてたクソみたいな男だよ。でも、夕姫を想う気持ちだけは誰にも負けない」

「日向……」

「夕姫が胸焼けしても、俺のことがもう嫌になったとしても、離す気なんてさらさら無い。ごめん。もう離せない。夕姫の全部を愛してるし、多分俺は夕姫以外は愛せないから。いまだに触れる時は緊張するし、壊しちゃいそうで手が震える。キス一つで馬鹿みたいに舞い上がるし、全部都合の良い夢なんじゃないかと思うこともある。馬鹿みたいだろ? ……でも、それくらい今ここに夕姫がいてくれることが俺にとっては奇跡みたいなものなんだ」


目尻を撫でてくれる指先に、いつ出たかもわからない涙が滲む。
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