年上幼馴染の一途な執着愛
「どうした?夕姫。疲れてる?暑い?」


心配そうに私の顔を覗き込む日向に、慌てて首を横に振った。


「あ、ううん。大丈夫。真山さんに日向とのこと明日もからかわれるんだろうなって思っただけ」

「ははっ、仲良いな」


日向も忙しいはずなのに、デートの日はなるべく迎えに来てくれている。


"俺が早く夕姫に会いたいから"


当たり前のようにそう言ってくれるのが嬉しい。
ふと周りを見回してみると、同じように仕事を終えた社員たちからの視線を感じて日向の手を握った。


「……日向、いこ」

「ん? あぁ。そうだな」


日向の笑顔が今日も眩しい。
だけど、この笑顔は私だけのものだ。


「今日泊まってくだろ?」

「いいの?」

「当たり前」

「じゃあお言葉に甘えようかな……。あ、そうだ。後で一緒に映画見よ。面白いのあるって会社の人に教えてもらったの」

「へぇ、どんなやつ?」

「邦画なんだけど、ミステリーっぽいやつ。ほらこれ」

「お、いいじゃん。俺これ気になってたやつだ」

「じゃあ決まり。お酒とおつまみ買って帰ろ」

「そうだな」


日向とは定期的にデートを重ねていて、日向のお家にお泊まりさせてもらうことも多い。
一緒にいるとどうしても帰りたくなくなってしまって、そのまま泊まっているうちに半同棲生活のようになっている。
今日も日向の家に泊まることになり、一緒にスーパーに寄ってから日向の自宅マンションへ向かった。
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