年上幼馴染の一途な執着愛
「夕姫」

「ん?」

「これ。誕生日プレゼント」

「え、いいの?」

「もちろん」


ケーキを食べた後、日向は私に小さな箱を差し出してくれた。


「開けてもいい?」

「うん」


綺麗にラッピングされた手のひらサイズの箱を開けると、小さなリングケースが出てきて驚いた。


「……日向、これ……」


手が震える私からそのリングケースを取り、そのまま私に見えるように開く。
そこにあったのは、綺麗なダイヤモンドが輝く指輪。


「日向……?」

「……誕生日おめでとう。良かったら、これを受け取ってほしい」

「これ……」


驚きすぎて、涙が目に滲む。


「まだ何も言ってないのに泣くなよ」

「だって……」


こんなの、泣くなって言う方が無理だよ。
少し照れたように笑う日向の表情が、どんどん涙でぼやけていく。
それがもったいなくて手で拭くと、再び日向の笑顔が見えた。


「初めて会ったあの時から、俺にとって夕姫は誰よりも守りたい大切な女の子になった。それは今もこれからもずっと変わらない。俺にとって夕姫は、何よりも大切な存在だよ」

「っ……」

「まだ付き合って日が浅いけど、お互いのことは知り尽くしてるし、俺は夕姫以外の人と一緒にいるのはもう考えられない。それくらい好きだし、夕姫もそうだって勝手に思ってる」

「……うん」

「夕姫。必ず幸せにする。だから、俺と結婚してください」

「っ、よろしく、お願いしますっ……」


答えると同時に涙がこぼれ落ち、たまらず日向の胸に飛び込む。


「日向ぁ……大好き」

「俺は愛してる」


子どものように縋りつきながら泣いてしまう私に、日向は身体を起こしてから左手の薬指に指輪を嵌めてくれる。
光を反射してきらきらと輝くダイヤモンド。
見ているだけで幸せの涙がこぼれ落ちる。


「夕姫、幸せになろうな」

「うんっ……」


忘れられない思い出が、また一つ増えた。
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