年上幼馴染の一途な執着愛

初詣

数十分後。
私はお兄ちゃんと日向に挟まれながら、近所にある神社までの道を歩いていた。
雪が積もっているからか、道もツルツルでなくて助かった。
ただ風が強くて気温はとても低い。


「寒くね?」

「寒い。けど私は二人が風除けになってくれてるからそこまででもないよ」

「うわ、ずる」


背の高い二人の隣にいると良い具合に横からの風が当たらない。
とは言っても、正面から吹く風には対処の仕様がないのだけれど。


「日向、お前マフラーは?」

「忘れた」

「馬鹿じゃねぇの」

「うっせ。そういう星夜はこんな寒さ慣れてるはずなのになんで一番厚着してんだよ」

「いいだろ、俺は寒がりなんだよ」


二人で軽口を言い合っているのを聞きながら歩くこと十分ほど。
見えてきた鳥居と、同じく初詣に来たであろうたくさんの人たち。
地元で一番大きい神社に着いた。

甘酒の香りがふわりと漂い、厳かな空気に無意識に背筋が伸びる。


「すごい、お着物着てる人もいる」

「新年早々着付けしてくるなんてすげぇよな」

「大変だけど綺麗だよね」


私たちの目の前を通る、綺麗な着物姿の女性。
素敵だなあと思いながら見つめていると、


「おら、置いてくぞ」


日向に声をかけられて視線が戻る。


「ごめん、今行く」


駆け足で二人に追いつくと、参拝の列に並んだ。
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