年上幼馴染の一途な執着愛
「ただいまー」


頭や肩についた雪を払いながらリビングに向かって言うと、中からバタバタと足音が聞こえてきた。


「はーい……あれ? ユウちゃんじゃない。おかえり。久しぶりね。今年も帰ってこないと思ってたわ」


私を見て驚いたように笑うお母さんに、なんとなくホッとして私も笑う。


「久しぶり。たまには帰ってこようかと思ってね。まだご飯食べてないんだ。何か余ってる?」

「残り物でもいい? 来るって知ってたらいっぱい作っておいたんだけど……」

「残り物でも大歓迎だよ。ちょっとバタついてて連絡できなかった私が悪いから」

「ごめんね。急いで用意するわ。でもよかった。実はね、お父さん大晦日だからってビールばっかり飲んでて、晩ご飯ほとんど食べてくれなかったからおかずも結構余ってるのよ」

「やった、ラッキー」

「ふふ、じゃあ温めて直しておくから、部屋に荷物置いてらっしゃい。星夜(セイヤ)日向(ヒナタ)くんも帰ってきてるわよ、部屋にいると思うから顔出してらっしゃい」

「わかった。ありがと」


リビングに戻るお母さんを横目に、私は言われた通り自室に荷物を置きに行く。

二階への階段を登ってすぐの部屋。そこに入って荷物を置きコートとマフラーを脱いでいると、廊下から足音がした。
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