年上幼馴染の一途な執着愛
「日向見て、雪だるまがある」

「おー、どっかの子どもが作ったのか」

「私たちも昔よく作ってたよね」

「だな。全身雪で真っ白にして。気合い入れて雪玉転がしてる間に雪に足埋まって長靴抜けなくなったりな」

「あったあった。雪合戦もしたよね。三人だとチーム分けできなくてよく喧嘩したっけ」


私たちは小さな頃からずっと三人で一緒にいた。

もちろんお互い他に友達がいたけれど、三人でいた時間が一番長かったと思う。
だから成長するにつれて、三人での時間が減っていったのは正直すごく寂しくて。
日向が都内の大学に進学して全然会えなくなった時も、寂しくて一人で泣いたっけ。


「懐かしいね」

「あぁ」


思えば、あの頃が一番楽しかったかもしれない。
そんなことを思いながら歩いている時、ふと日向が足を止めた。


「日向?」

「……昨夜のこと、怒ってるか?」

「え?」


まさかそんなことを聞かれると思っていなくて、言葉に詰まる。


「怒ってる?」


だけど、もう一度聞いてきた日向の目は真っ直ぐ私を射抜いてくる。


「……少し、だけ」


自分でもどうしてそう答えたのかはわからない。

もしかしたら、いきなりキスをされた仕返しのつもりだったのかもしれない。
怒ってるかと聞かれたら、別に怒ってはいない。
恥ずかしくて認めたくはないけど、嫌だったわけでもない。ただ、びっくりしただけなんだ。
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