年上幼馴染の一途な執着愛
「まぁ、そうだよな」

「……」

「……でも俺、謝らないから」

「え?」

「酔った勢いとかじゃないから。気の迷いとかじゃないから。それをわかってほしいから、謝らない。決めた」


それは、つまり。

あのキスは、日向の意志でしたということ?
日向が、私に、したくてキスをしたということ?

なんで?どうして?

わからなくて、日向をじっと見つめる。

すると、


「嫌だった?」


聞き方を変えたその質問に、私はびくりと反応した。

思わず逃げ出したくなるけれど、先読みしていたかのように手の握る力を強くした日向から逃れられない。


「夕姫、教えて」

「……」

「昨夜、嫌だった?」


嘘をついても、すぐに見透かされそうな視線。
それなら、恥ずかしくても答えるしかなくて。


「……嫌、じゃ……なかった」

「っ……」

「嫌じゃなかったよ。ただ、ちょっとびっくりしただけ。本当は怒ってもいない。……嘘ついて、ごめん」


謝ると、


「……ん。そっか。良かった」


へにゃり。
張り詰めていた糸が切れたかのように心底安心したような笑顔。

それを見て、私の胸はどくんと大きく高鳴った。
< 22 / 154 >

この作品をシェア

pagetop