年上幼馴染の一途な執着愛
「どうした?」

「ううん。懐かしいなって思って」

「俺も久しぶりに入ったからなんか変な感じする」


玄関で靴を脱いで、家の中を見渡すと家具の一つ一つがあの頃よりも小さく感じて、自分の成長を実感する。


「日向、おばさんは……?」

「あー……男のところじゃね?」

「……そっか」

「お前が気にすることじゃねぇから」

「でも」

「俺を何歳だと思ってんだ。そんなことでいちいち落ち込むほど子どもじゃねぇよ。ほら、俺の部屋行くぞ」

「うん」


日向のお母さんは日向を一人にしてどこへ行っているのかずっと疑問だった。だけど、よく恋人のところへ入り浸っていると知った時は衝撃だった。

幼い子どもを放置して自分は恋人との時間を楽しんでいたなんて。信じられなかったのを覚えてる。
それが原因で昔は日向もかなり荒れていたけれど、高校生くらいから割り切ったのか気にしている様子は無い。

案内された日向の部屋は少し埃があったけれど、昔のまま綺麗だった。

「そこ座ってて。なんか飲み物と目冷やすもの持ってくる」

「ありがとう」


ベッドに腰掛け、コートとマフラーをとって横に置く。
段々と暖房も効いてきたのか、暖かくなってきた。

待っている間手持ち無沙汰になってしまい、私も手伝いに行けば良かったと少し後悔した。
何かないかな、と辺りを見渡すと、大きな本棚の中にある漫画本の奥に卒業アルバムがあるのを発見。
興味本位でそれを取り、表紙を開いてパラパラとめくっていた。


「お待たせ。……うわ、何見てんの」

「ん? なんかね、日向の小学校の頃の卒業アルバム」
「そんなのあった?」

「うん。本棚にあったよ」


戻ってきた日向はテーブルに飲み物を置いてから私の隣に腰掛けた。
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