年上幼馴染の一途な執着愛
「日向って何組だったっけ?」

「忘れた。星夜と同じクラスだったのは覚えてる」

「それは私も覚えてる! 今年も同じクラスだったって喜んでたよね」

「あぁ。俺、あの頃星夜しか友達いなかったからな」

「寂しいこと言わないでよ。私もいたでしょ?」

「ははっ、そうだな」


日向はあの頃荒れてたから、同じ学年にはお兄ちゃん以外ほとんど友達がいなかった。
私もその時小学校に入学したばかりで友達がほとんどいなかった。
だからこそ、常に三人で一緒にいたのだけれど。


「あ、見て日向。お兄ちゃんいた」

「本当だ。うわ、幼い」

「でも今と顔全然変わんないね。おもしろ」

「そういうお前も昔っから全然顔変わってねぇよ」

「えー? そうかなー。あ、ここに日向いたよ。日向も全然変わらないよね。可愛い」

「いや今の俺こんなガン飛ばしてないから。ちゃんと成長してるから、変わってるから」

「ははっ、わかってるよ」


懐かしさに話が盛り上がっているうちにアルバムを見終わり、片付けてもう一度ベッドに座ると


「ほら、目冷やすから閉じて」


目に濡れタオルを置かれた。
おそらく布巾か何かだろう。微かに洗剤の香りがする。


「ごめんな、そんなんしかなくて。メイク落ちちゃうか?」

「ううん。大丈夫。元々泣いてほとんど取れてるから。ありがとう。冷たくてきもちい」


しばらく布巾を乗せたまま上を向いて目を瞑っていると、隣にいる日向が私の肩を抱き寄せた。

驚いて布巾を取ろうとするけれど、日向はそれを許してくれない。
それどころか


「ちゃんと冷やしとかないとダメ」


と言いながら今度はそっと抱きしめてきた。
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