年上幼馴染の一途な執着愛
「……逃げねぇの?」
うっすらと開いた目が、私を捕える。
「後悔するかもしんねぇよ」
挑発的な言葉も、私に最後まで逃げ道を作ってくれているのだろう。
その優しさに、涙が出そうだ。
何よりも、そんな日向を見ていたら、嫌だなんて思わなかった。
「逃げない」
むしろ、今は縋りつきたい。
「……後悔なんて、しないよ」
その色気に包まれたい。
「忘れさせてくれるんでしょ? ……お願い、あんな男のこと、忘れさせて……私ももう、泣きたくないの」
日向にこんな感情を抱くなんて、思ってなかった。
だけど、ずるくても卑怯でも、今はその優しさに甘えたい。
甘えさせてほしい。
頭の中を日向でいっぱいにしてほしい。
これ以上、あんな男のことで泣かなくて済むように。
これ以上、惨めな私にならないように。
私を、包み込んでほしい。
日向は、こんな私を見たら引いてしまうだろうか。
私を見て目を見開いている日向の頬に手を添えて、そっと私からキスをする。
絡み合った視線に、日向がごくりと唾を飲み込んだのがわかった。
ゆっくりと、ゆっくりと近付く顔。
「お前、本気で言ってる?」
「うん」
「今から何されるか、わかってる?」
「わかってる。私ももうそんな子どもじゃないよ」
信じられないという表情で私を見つめた日向に、もう一度キスをした。
「……早く、きてよ」
「……やっぱりやめたとか、無しだからな」
そう言って、私の首に噛み付くように唇を這わせた。