年上幼馴染の一途な執着愛
考えれば考えるほどわからなくて、数時間前までの情事を思い出してまた赤面してしまう。
今にも叫び出したい衝動に襲われるけれど、そうもいかずに悶えるだけ。
そんな私の激しい感情の起伏など全く知らない日向は、私の隣でぐっすりと眠っている。
穏やかな寝顔は改めて見るととても綺麗で、毛穴一つ見えない肌に嫉妬してしまいそうだ。

私の頭の下には日向の腕があり、反対の腕は私の腰を抱きしめている。


「……日向も昨日眠れなかったんだっけ……」


静かな寝息を聞きながら、しばらく寝顔を見つめる。
多分、しばらく起きないだろう。

窓から見える外もまだ明るいから、そんなに時間は経っていないようだった。
日向がかけてくれたであろう布団の中は、お互い何も身につけていない。
少し汗ばんでいる日向の胸が、情事の激しさを物語っているようだった。

とりあえず服を着よう。
そう思って日向の腕から抜けようとするものの、なぜか逆に力を入れてきて抜けない。
それどころかギュッと抱きしめられてしまい、私の顔は日向の胸に押し付けられる形になった。

息苦しい。けれど、嫌な苦しさじゃない。
日向の香りだろうか。フェロモンってやつ?
なんだか落ち着くいい匂い。
それを嗅いでいると、またウトウトしてきて。

そうだ、私も昨夜は全然眠れなかったんだった……。


「ちょっとだけ……」


そのまま、また眠ってしまった。
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