年上幼馴染の一途な執着愛
「ちょっと秋野さん、最近浅井くんといい感じなんじゃない?」
「え?」
「浅井くんも秋野さんのこと気に入ってるみたいだし、彼氏と別れたんなら狙ってみたら?」
「真山さん何言ってるんですか、そんなんじゃないですよ」
浅井さんが見えなくなったところで真山さんが私をからかいにくる。
「でも、浅井くんって社内でもかなり人気じゃない? だから、もし秋野さんが少しでもいいなって思うならチャンスだと思うけどなあ」
真山さんの言うとおり、浅井さんは営業部のエースであり、その整った容姿も相まって社内でもトップクラスに人気がある人だ。
甘いマスクから放たれる営業スマイルは数々の女性を虜にしているらしく、秘書課の女性社員たちが密かに狙っているらしいという噂も聞くし、取引先の女性からもよく声がかかると聞く。
私は今までかっこいいとは思うことはあったけど、だからといって必要以上に恋愛対象として意識したことはなかった。
常に浅井さんの周りには女性がいる印象だし、こういう些細な気遣いも抜かりない。
ものすごくモテる人だから、私のことなんて眼中にないのはわかっている。
「もう、そんなんじゃないって言ってるじゃないですか。ほら、仕事しましょ」
「私はいいと思うんだけどなあ? ま、いっか」
真山さんとは向かいのデスクに座って、仕事を始めた。