年上幼馴染の一途な執着愛
「それに、年末年始久しぶりに実家に帰省できてすっきりしました。だからもう大丈夫です!」

「……秋野さんがそう言うならいいけどさ。でも、家は引っ越しなよ?」

「え?」

「だって、その元彼、秋野さんの家知ってるでしょ? 何かあったらまた来るかもしれないじゃん。二股かけてた時点でヤバい人だし、そういう人って開き直ると何しでかすかわかんないって聞くから、気をつけないと」


そこまで考えてなかった……。


「もし引っ越したけど何もなかったらそれはそれで良かったねで済むし。それに彼と一緒に過ごした部屋でこれまで通り暮らしていくのってしんどくない? 心機一転も兼ねていいんじゃないかな」


そうか、確かにそうかもしれない。

ちょうど家具も買い替えたいと思ってたし、正直信明くんとの思い出がたくさんあるあの家でずっと暮らすのはきつい。
彼の私物は全部捨てちゃおうと思ってたことだし、心機一転を兼ねて引っ越しもありかも。
明日は土曜日だし、少し調べてみよう。


「真山さんに相談してよかったです。ありがとうございます」

「いーえ。むしろそんなつらい話、好奇心で無理矢理聞いちゃってごめんね。お詫びって言っていいかわかんないけど、デザートも注文していいからね」

「ふふっ、そんなに食べきれませんよ」


そう言いつつも、結局二人できっちりデザートまで食べてしまったのだった。
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