年上幼馴染の一途な執着愛
そしてそのまま会社に戻りいつものように仕事をしていた定時すぎ。


「お先に失礼しまーす」

「お疲れー」


真山さんにひらひらと手を振られながら、私はタイムカードを切ってフロアを出る。
日向との待ち合わせは十九時。少し時間があるため、メイクを直してから行こうとトイレに寄った。
崩れた部分を直して軽く髪の毛を整えて、そうしていると良い時間になり急いで会社を出る。
ちょうどよく日向から"今から行く"と連絡が来て、私は足早に待ち合わせ場所である駅に向かった。

駅前は、私と同じような仕事終わりの人で溢れている。
当たり前だけど、まだ日向はついていなかったようで私はベンチに座って待つことにした。
お正月に会ってからまだ一ヶ月も経っていないのに、なんだか久しぶりに顔を合わせるような気がしてそわそわしてしまう。
無意味にスマホを見てみたり、何度も腕時計で時間を確認してみたり。
自分でも驚くほど浮かれている。


「あ、日向」


十分ほど待っただろうか。
駅の中からやってきた日向を見つけて駆け寄る。


「夕姫、待ったか?」

「ううん。さっき来たところだから大丈夫」

「そっか。じゃあ行こう」


日向はくるりと身体の向きを変えて歩き出す。
私もそれに倣うように歩き出した。

日向は昨日から出張で東京に来ているらしい。
今日は一日都内にある本社のオフィスで仕事をして、明日帰るんだとか。
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