年上幼馴染の一途な執着愛
「ん? なに?」


「俺、今度こっちに転勤が決まったんだ」


驚きすぎて、飲んでいたお水を吹き出しそうになって咳き込む。


「おい、大丈夫か?」

「だ、大丈夫……。え、いつ!?」

「実は、二月から」

「二月から、って、もう二月になるじゃん!」

「そう。夕姫を驚かせようと思って黙ってた」


私の反応を見てケラケラ笑う日向は、ドッキリが成功したかのように嬉しそう。
お正月に転勤があるかもって話をしていたのは覚えているけれど、まさかこんなに早いとは。


「俺もまさか本社に来れるとは思ってなくて驚いたよ。今回の出張も転勤に向けての引き継ぎも兼ねてるんだ。夕姫に一番に言おうと思ってたから、まだ星夜にも言ってない」

「びっくりしすぎて何も言えないよ」

「ははっ、だろうな」


だって、二月といえばもうあと四日後に迫っている。


「土日で準備進めて、月末は有給取ってるからそのままこっちに越してくる予定。向こうでの仕事の引き継ぎは全部済ましてきた」

「そっか、ハードスケジュールだね」

「急に決まったから仕方ないさ」

「住むところは? もう決まってるの?」

「あぁ、ここ」


見せてもらったスマホに載っていたマンションの住所。
私の家から二つ離れた駅が最寄りのようだった。
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