年上幼馴染の一途な執着愛
「うん、大丈夫。これで送信しちゃって」

「はい。……秋野さん。本当にご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」

「ううん。次から気を付ければ大丈夫。私も前に同じミスしたことがあって、真山さんに助けてもらったことあるから」

「そうだったんですか……」

「うん。だから気にしないで」

「ありがとうございます。……でも、秋野さんもご自身のお仕事抱えてますよね。今日予定あったんじゃ……。私代わりますよ!」

「大丈夫だって。それに、今日は疲れたでしょ。飲み会は行く予定だった?」

「いえ、明日早くに予定があるので今日は欠席予定でした」

「そっか。じゃあ今日は早めに帰って家でゆっくり休んで。また月曜日から一緒に頑張ろうね」

「……ありがとうございます。本当に、ありがとうございます!」

「ふふっ、じゃあお疲れ様。気を付けてね」

「お先に失礼します。お疲れ様です」


涙目で何度もお礼を言う後輩を帰し、一つ息を吐いてからデスクに戻り残っている自分の仕事に集中する。

一時間以内には終わらせたいな……。

そう思いながら黙々と作業していると、


「真山さん、秋野さん、手伝うよ」


後ろから浅井さんが現れた。


「浅井くん! 助かる!」


どうやら外回りから帰ってきたらしく、鞄をデスクに置いてコートを脱いでいる。
フロアには私と真山さんを含め結構な人数が残っており、皆一心不乱に手と足を動かしていた。
営業部もちらほら人が残っているのは見えたけれど、どうやら浅井さんはこちらを手伝ってくれるらしい。
真山さんは浅井さんにポンポンとファイルを渡していて、浅井さんもその量に驚いている。
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