年上幼馴染の一途な執着愛
「秋野さんも、手伝うよ」

「いえ、大丈夫です。真山さんもそうですけど、浅井さんもこれから飲み会でしょう? 私は大丈夫ですから行ってきてください」

「いや、これ絶対元々営業部の仕事もあるでしょ。うちのやつらがごめん。飲み会よりもこっちの方が大事。これ以上秋野さんに丸投げするとか無理だから」

「そうよ。飲み会とかもうどうでもいいわ。間に合えば走って行くから気にしないで。それより秋野さんこそ予定あるんでしょ?」

「はい……」

「それなら尚更分担した方が早いよ。だから貸して、俺やるから」

「……ありがとうございます」

「他にも急ぎの案件あったら俺やるから振って」

「秋野さん、三人でパパッとやって終わらせちゃおう」

「はい!」

浅井さんが手伝ってくれたおかげで、私も真山さんも思っていたよりも早く終えることができた。
自分の要領の悪さと無能具合に呆れてしまうけれど、二人がいてくれて良かった。


「ありがとうございました。おかげで早く終わりました」

「いやいや、元々こっちの案件だったからね。助かったよ。ありがとう」


時計を見ると、待ち合わせ予定の時間から一時間経ってしまっていた。
慌てて日向に


"遅くなってごめん!今終わりました!"


と送り、急いで帰り支度をする。
真山さんは


「二人ともごめん! 私急ぐから先帰る!」


と叫んで走っていく。
どうやら飲み会にまだ間に合うようだ。
疲れたからやけ酒してくると豪語した真山さんを見送り、鞄を持って立ち上がる。
私も早く行こう。
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