年上幼馴染の一途な執着愛
「いただきます」

「おー、いっぱい食べろよ」


日向はもう食べ終わったのか、フライパンとバットを洗っている。
よくよく考えたら日向の手料理なんて初めてだ。
ナイフとフォークで一口切って食べると、ほどよい甘さが口に広がる。
洗い物を終えた日向が私の元に来て、向かいに座って私の顔を覗き込む。


「どう?」

「ん……おいひぃ」

「そっか、良かった」


嬉しそうにニッと笑った日向は、私の頭を雑に撫でてからまたキッチンに戻っていく。
私は熱々のカフェオレを一口飲み、またフレンチトーストを一口ずつ大事に食べ進める。
甘くて、優しい味。まるで日向みたい。
昨夜散々飲み散らかしてこの辺も汚してしまったはずなのに、今綺麗になっているのも日向が全部やってくれたんだろう。
何から何まで申し訳ない気持ちと、甘やかされてることがなんだか嬉しいと思ってしまう自分がいた。
全部食べ終えると、


「シャワー入りたいだろ? 今準備するからちょっと待ってて」


と言って今度は日向が洗面所に向かった。
私はもう一杯カフェオレをもらい、テレビの情報番組を見ながらゆっくりと飲み進める。


「夕姫」

「ん」

「これ、俺のだからでかいと思うけど」

「ありがと」

「さすがに下着までは買ってこれなかった。ごめん」

「ううん。大丈夫」


ここに下着まで揃ってたら卒倒してしまいそうだ。
日向にそこまでの勇気がなくて良かった。
ありがたくシャワーに入らせてもらうことにして、着替えのスウェットとバスタオルを受け取ってお風呂に向かう。
熱いくらいの温度のシャワーで頭と身体を洗い流してから出ると、渡されたスウェットを着てみた。
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