年上幼馴染の一途な執着愛
「でっか……」


彼シャツというやつだろうか。いや、彼じゃないから違う?そもそもシャツじゃないし……。
なんて馬鹿なことを考えながら、両手の袖と足首のところの裾を折り返す。
ダボダボだけど、日向の匂いがしてなんだか落ち着く。
ドライヤーを勝手に使うわけにもいかないから、とりあえずタオルドライをして顔の保湿をしなおし、ほかほかの状態でリビングに戻った。


「日向」

「あぁ夕姫、もどっ……」


多分、戻ったか?って言いたかったんだと思う。
だけど、日向は私の姿を見て動きを止める。
そしてすぐに顔を赤くしながらそっぽを向き、


「想像以上にヤベェな……」


と呟いた。
その声が昨夜の

『好きだ』

と言われた時と同じトーンで、私まで顔が真っ赤に染まる。
ガシガシと頭を掻いた日向は、ふぅーと一度細長い息を吐いた後に


「こっちおいで。髪乾かしてやる」


と私を手招きする。
おずおずと向かう私を膝の間に座らせたかと思うと、どこからか出てきたドライヤーで丁寧に私の髪の毛を乾かしてくれた。
この感じ、懐かしい。
昔よくお兄ちゃんや日向がやってくれてたのを思い出す。
私、あの頃から甘やかされてたんだなあ。


「熱くないか?」

「うん。だいじょぶ」

「痛かったら言えよ」

「うん」


そう言うけれど、日向は本当に優しく乾かしてくれるから痛みなんて感じない。
優しい指先が頭を撫でるたびに、くすぐったいような感覚がした。
乾かした後はそのままブラシで髪を梳かしてくれて、どんどん私の髪の毛がサラサラになっていく。
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