年上幼馴染の一途な執着愛
「ま、こんなもんか」
そう告げてブラシをテーブルに置いた日向は、私を後ろからぎゅっと抱きしめた。
「……日向?」
「……昨日の、嘘でも冗談でもないから」
真剣な声色と、優しいのに私を絶対に逃すまいとしている腕。
「夕姫のこと、本気だから。本当に、ずっと好きなんだ」
その言葉に、私はうろたえる。
まさか日向が私をそういう対象に見ているとは思っていなかったから、頭が追いつかない。
そりゃあ、キスもされたしその先のこともした。
もしかしたら、って思ったこともあった。
だけど、日向は昔からモテモテで女性の扱いに慣れている。
だから、そんなわけないって思ってた。
私のことなんて眼中にないだろうって思いこんでいたんだ。
だって、そうしないと勘違いしてしまいそうで。
勝手に期待して、違った時に自分が傷付くのが怖かった。
「日向、私……」
「うん。そんなこと言ったって、夕姫を困らせるだけだってのはわかってる。俺のこと、そんな風に見たことないのもわかってる。夕姫がずっと、俺のこともう一人の兄貴だと思ってたのも知ってる」
「……」
「だからずっと諦めようと思ってた。俺は所詮兄貴以上にはなれないと思ってたから。だけど、正月に泣いてる夕姫見たら、やっぱりダメだった」
「日向……」
「何勝手に傷付いてんだよ。俺が何年お前のこと好きでいると思ってんだよ。……今さら諦めるなんてできねぇよ」
後ろから抱きしめていた日向は、ゆっくりと私の向きを変えて正面から抱きしめる。
「夕姫」
「……うん」
「俺、お前が思ってるほど優しくない。弱ってる夕姫に漬け込むような、卑怯な男だよ」
「そんなこと」
「でも、お前のことが好きな気持ちは誰にも負けないから」
「……」
「もう、誰にも渡さない。誰にも負けない」
きつく、きつく抱きしめる日向。
日向の想いが大きくて、全然気付かなかった自分が憎い。
「もう、お前のもう一人の兄貴でいるの、やめるから」
言葉と共に奪われた唇。そのキスは、甘く滑らかなカフェオレの味がした。
そう告げてブラシをテーブルに置いた日向は、私を後ろからぎゅっと抱きしめた。
「……日向?」
「……昨日の、嘘でも冗談でもないから」
真剣な声色と、優しいのに私を絶対に逃すまいとしている腕。
「夕姫のこと、本気だから。本当に、ずっと好きなんだ」
その言葉に、私はうろたえる。
まさか日向が私をそういう対象に見ているとは思っていなかったから、頭が追いつかない。
そりゃあ、キスもされたしその先のこともした。
もしかしたら、って思ったこともあった。
だけど、日向は昔からモテモテで女性の扱いに慣れている。
だから、そんなわけないって思ってた。
私のことなんて眼中にないだろうって思いこんでいたんだ。
だって、そうしないと勘違いしてしまいそうで。
勝手に期待して、違った時に自分が傷付くのが怖かった。
「日向、私……」
「うん。そんなこと言ったって、夕姫を困らせるだけだってのはわかってる。俺のこと、そんな風に見たことないのもわかってる。夕姫がずっと、俺のこともう一人の兄貴だと思ってたのも知ってる」
「……」
「だからずっと諦めようと思ってた。俺は所詮兄貴以上にはなれないと思ってたから。だけど、正月に泣いてる夕姫見たら、やっぱりダメだった」
「日向……」
「何勝手に傷付いてんだよ。俺が何年お前のこと好きでいると思ってんだよ。……今さら諦めるなんてできねぇよ」
後ろから抱きしめていた日向は、ゆっくりと私の向きを変えて正面から抱きしめる。
「夕姫」
「……うん」
「俺、お前が思ってるほど優しくない。弱ってる夕姫に漬け込むような、卑怯な男だよ」
「そんなこと」
「でも、お前のことが好きな気持ちは誰にも負けないから」
「……」
「もう、誰にも渡さない。誰にも負けない」
きつく、きつく抱きしめる日向。
日向の想いが大きくて、全然気付かなかった自分が憎い。
「もう、お前のもう一人の兄貴でいるの、やめるから」
言葉と共に奪われた唇。そのキスは、甘く滑らかなカフェオレの味がした。