年上幼馴染の一途な執着愛

不安と自覚

*****

「──きのさん? 秋野さん? 大丈夫?」


肩を軽く叩かれて、驚いて


「わっ……!」


変な声が出た。


「……あれ? 真山さん?」

「秋野さん、大丈夫? 最近ずっと上の空だけど」

「あ、はい。ちょっと色々あって……大丈夫です。……うわ、もうこんな時間!?
早く終わらせないと……」

「……」


時計を見たら定時間近だった。
パソコンの画面はだいぶ前から表示が変わっていない。

仕事中にぼーっとするなんて、最悪だ……!

慌ててキーボードを叩くものの、正面からは心配そうな真山さんが私を見つめていた。


どうしてこんなことになっているかと問われたら、日向に言われたことがずっと頭に残っていることが原因だった。
日向から想いを聞いたあの日、私は何も言えないまま日向が家まで送ってくれた。


『困らせてごめん。結局普通に手出してごめん。……また、俺と会ってくれるか?』


切な気な表情に、私は頷くことしかできなかった。
だけど、日向はホッとしたように頭を撫でてから帰って行った。
それ以来、一週間が経過したものの、日向からは何も連絡は来ていない。


私はこの一週間、落ち着くことがなくぐるぐると思考が回っていた。
仕事にも集中できずにぼーっとする時間が増えてしまい、色々なことがうまくいかずにため息が止まらない。
どうにか残業にならずにタイムカードを切った私に、


「秋野さん、今日暇? 飲みにいかない?」


と真山さんがお誘いしてくれた。
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