年上幼馴染の一途な執着愛

「何か悩み事があるんでしょ? ゆっくり話聞くよ?」

「真山さん……」


ありがたい申し出に頷き、真山さんと飲みに行くことになった。

居酒屋に入ると、すぐに真山さんはビールと一緒にいくつかおつまみを注文してくれた。


「で? 秋野さんは何をそんなに悩んでるの?」

「……悩んでるわけでは……その……」

「さすがに何もないですは通用しないからね? 真面目な秋野さんがあんなに上の空になるなんて今まで無かったじゃん」

「はい……」


仕事中に迷惑をかけてしまっている手前、今さらごまかすことなんてできないだろう。
ビールを片手に前のめりに聞いてくる真山さんに、腹を括る。


「実は……」


私は、日向とのことを順を追って説明することにした。
もちろん、身体を重ねたなんて詳細までは話していない。


「つまり、その兄のように慕ってた幼馴染に告られちゃったからどうしようって話?」

「まぁ、ざっくり言うとそうです……」

「そんなの、付き合えばいいじゃん」

「なっ……そんな簡単な話じゃないんですよー……」


至極軽い真山さんの返答に力が抜ける。


「なんで? 何をそんなに悩む必要があるの? 嫌いなの?」

「嫌いなわけないです! むしろ……」

「むしろ? 好き?」

「……好き、なんでしょうか……。わかんないんです。だって、ずっと幼馴染で、私にとってはもう一人の兄のような存在だったんです。それが、急に好きだなんて言われても……」

「あぁ、理解が追いつかないのね?」

「はい……」

「でもヤったんでしょ?」

「ヤっ!? 真山さん、声が大きいです!」


居酒屋でなんてことを言うんだ。
慌てて周りを見渡すけれど、皆自分たちの話に夢中なのか見られている感じは無い。
ふぅ、と一息ついたところで、


「どうなの?」


と真山さんが詰め寄ってくる。
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