年上幼馴染の一途な執着愛
『近いうちに招待状送るから、日向と一緒に来てくれよ』

「うん!」


お兄ちゃんが結婚かあ。何着て行こう。
お母さんはきっと留袖だから、私も和装で合わせたほうがいいかな。
実家にまだ振袖があったはずだし、お母さんに相談しなくちゃ。
勢いのまま電話をしてしまったため、謝りつつすぐに電話を切る。
すると今度は日向から電話が来た。


「もしもし?」

『星夜から連絡きた?』

「うん、さっきまで電話してたとこ」

『そうか。式の日、俺が車出すから一緒に行こう』

「いいの?」

『当たり前だろ』

「ありがとう」


日向の元にも連絡が来ていたみたいで、その声色はとても嬉しそうだ。


「日向、もしかして今仕事中?」


電話の向こうでは誰かが慌ただしく喋っている声が聞こえる。


『あぁ、今日も残業なんだ』

「大丈夫? 頑張りすぎじゃない?」

『夕姫の声聞いたら疲れも取れたから問題ない。もう少しだけ働いてから帰るよ』


そんな些細な言葉にもドキドキしてしまう。


「……無理しないでよ? 落ち着いたらご飯行くんだから、頑張りすぎて身体壊さないでね」

『当たり前。夕姫に会うために頑張ってるから、もうちょっと待ってて』


頷くと、沈黙が訪れる。
電話も久しぶりだったから、なんだか切るのが惜しい。
もう少し話していたい。

そう思って、あぁ、やっぱり私は日向のことが好きなんだなと思って笑みが溢れる。
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