年上幼馴染の一途な執着愛
第三章

看病

それから一週間後。
日向からようやく仕事が一段落したと連絡が来て、今日の夜に食事に行く待ち合わせをしていた。

今日、日向に返事をするんだ。
そう意気込んでいたら緊張しすぎてあまり寝られなかった。
寝不足だからか、なんとなくだるい気がしたけれど仕事はしっかりこなしたい。
いつも以上に気合いを入れて出勤した。

──しかし。


「あれ? なんか秋野さん、顔赤くない?」

「……え?」

「大丈夫? 具合悪いんじゃない?」

「へ、平気です……」

「ご飯食べた?」

「いえ……なんか食欲無くて……」


出勤して業務を開始して数時間。ランチから戻ってきた真山さんが、デスクでぼーっとしてる私の額に手を当てる。


「え!? あつっ! 秋野さん、これ熱あるよ!」

「え? うそ……」

「嘘じゃないよ、熱いって。今体温計持ってくるから、熱測ってごらん」

「はい……」


確かに、朝よりもだるさが酷くなっているし頭痛もし始めていた。
寝不足のせいだと思っていたけれど、もしかして違った……?
真山さんに渡された体温計を脇に刺すと、ものの数分で音が鳴る。
見てみると、
【38.6】と表示されていて驚いた。


「うっそ……」

「あちゃー……これは高いね。今すぐ帰りなさい」

「でも……」


仕事も終わってないし、何より今日はようやく日向と会える日なのに……。
帰りたくなどなかったけれど、このまま皆に風邪を移すわけにもいかない。
何よりこんな熱で仕事になるわけがない。
< 78 / 154 >

この作品をシェア

pagetop