年上幼馴染の一途な執着愛
「日向」

「……」

「私、本当にその人のこと、なんとも思ってないよ」

「……うん」

「あれが告白なのかも正直よくわかんないしね。確かにびっくりしたし動揺しちゃった。頬にされたキスも……本当は口にされそうになって。嫌で逃げたようとしたの。すごく嫌だったし、怖かった」

「……」

「だからこうやって日向が来てくれて、こうやって抱きしめてくれて、すごくホッとしてる自分がいるの。日向といたら、なんか頭の中すっきりした。明日、ちゃんと断ってこようと思う」

「夕姫……」


私の様子がおかしいことに気付いてくれて、こうやって駆けつけてくれて。ありがとう。


「すごく私のこと大切に想ってくれてるの、嬉しい。日向が来てくれて嬉しかった。だから情けないなんて言わないでよ」


抱きしめる力を強くした日向に、私は笑ってしまう。
今までどう断ろうかってずっと考えていたけれど、日向にこんな顔をさせるくらいなら、シンプルに思っていることをそのまま伝えよう。
明日、浅井さんと話をしよう。

そして今は、日向に私の気持ちを伝えよう。
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