可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
1.婚約破棄された魔導具師
私は今日、継妹に婚約者を奪われるだろう。
そんな予感を抱きながら、少女はひとり大型の魔導具を横倒しにしていた。
そして、楕円のペンダントを魔導具にかざしながら、なにか話しかけた。ペンダントは答えるように、ほんのりと輝く。
すると、魔導具の一部が答えるように瞬いた。
「そう、ここが痛いのね?」
少女は優しく語りかけると魔導具を撫でた。
彼女の名前は、ルシア・デ・ファクト。
カラスの濡れ羽色の髪は、腰まで真っ直ぐに落ちている。緑の瞳は萌える若葉を閉じ込めたように柔らかい眼差しだ。
驚くような美女ではないが、整った顔つきである。背が高く健康的な少女だった。
彼女は、ヒベルヌス王国のファクト子爵家の長女であり、十六歳でありながら、天才魔導具師と呼ばれていた。
そんな予感を抱きながら、少女はひとり大型の魔導具を横倒しにしていた。
そして、楕円のペンダントを魔導具にかざしながら、なにか話しかけた。ペンダントは答えるように、ほんのりと輝く。
すると、魔導具の一部が答えるように瞬いた。
「そう、ここが痛いのね?」
少女は優しく語りかけると魔導具を撫でた。
彼女の名前は、ルシア・デ・ファクト。
カラスの濡れ羽色の髪は、腰まで真っ直ぐに落ちている。緑の瞳は萌える若葉を閉じ込めたように柔らかい眼差しだ。
驚くような美女ではないが、整った顔つきである。背が高く健康的な少女だった。
彼女は、ヒベルヌス王国のファクト子爵家の長女であり、十六歳でありながら、天才魔導具師と呼ばれていた。
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