可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「これだから、馬鹿な子は嫌なのよ。そんなこと許されるわけがないでしょう? 遅れてでも絶対行くのよ! 家門に泥を塗るつもりなの!?」
ローサはそう罵ると、乱暴にドアを閉めた。
ルシアは肩をすくめた。
「やっぱり無理よね。……さて、この配線を直して。歯車に油を差す。放置されて魔力が放出しちゃった魔晶石を入れ替えて……」
ルシアは小さくため息をつくと、ウォーキングマシーンを綺麗に磨いた。
そして、額をコツリとつけ、話しかける。
「ほったらかされて、淋しかったわよね。道具だって雑に扱われたら悲しいもの。さぁ、新しい魔力を入れたわ。もう少し頑張って働いてね」
ルシアが囁くと、ウォーキングマシーンはほんのりと輝いた。