可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
誰も気がついていないが、ルシアが手がけた魔導具には火の精霊ウルカヌスの加護かかかっている。
火の精霊は鍛冶の力を持つ。魔導具作りも火の精霊の得意分野だ。そのため、ウルカヌスの加護を受けた魔導具は、愛情を注いで扱えば、それだけ期待に応えてくれる品物になっているのだ。
「ウルちゃん、どうかな?」
<ああ、問題なく直ったな>
ウルカヌスは魔導具の壊れた場所を見つける力を持っている。そして、正しく機能しているか判別する力もあった。
「よかった。今度は大切に使ってもらえるといいね。長生きしてね」
ルシアは直った魔導具を見て微笑んだ。
「ルシア、早く着替えなよ。道具の片付けはオイラがやっておくから!」
「ありがとう! あとでクッキーを持ってくるわね!」
ニィに言われて、ルシアは自室へ駆けだした。