可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「たしかに、そう聞こえるかも?」
ファクト子爵はバクバクとする心臓を抑えながら、恨めしそうな顔でカイルを見た。
「まだ、まだ、娘は嫁にいかないからね? わかっているね?」
「わかっています。ルシアが自由に生きたいのなら、僕はそれを応援したいんです」
カイルが真摯な目で答えると、ファクト子爵は大きく深呼吸をした。
「それに、オイラだっているよ!」
ニィがドンと胸を叩く。
「ああ、ニィ。ルシアに着いてきてくれたんだね。ありがとう」
屋敷を守護するニィがルシアについてきたこと。
それが、どういう意味かファクト子爵は理解した。