可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「ここは、シグラ王国セファ領プラオット村だよ。もともとは鉄の採掘で栄えた領地だけど、今は鉄の産出が減って寂れてしまったんだ。王都とは違い少し不便だけど穏やかでいい村だよ」
あとからやってきたカイルが説明した。
「私もそう思う!」
ルシアはこの村が一目で気に入った。
重苦しかったジュール侯爵領とは明らかに空気が違う。
「それじゃ、まずは住むところを探しにいこうか! 空き家を案内してくれる店があるんだ」
「そのことで少し困っているんだけど……家を借りるのに、今の身分を明かさなきゃダメかしら?」
ルシアは真面目な顔で、父とカイルを見た。