可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「もちろん、僕もそれでいいと思う。家に関しては、僕が保証人になるから大丈夫だよ」
「……!! カイル! ありがとう!!」
ルシアはカイルの手を取ってピョンと跳ねた。
ファクト子爵はそんな様子を眩しく見つめた。
「心配事もなくなったことだし、家を探しにいこうか!」
カイルの言葉で、一行は村の万屋に向かった。なんでも知っている便利屋である。
万屋の店主、ルシアたちを見て怪訝な顔をした。
なにしろルシアの一行は、あまりにもバラバラのメンバーだったからだ。
肩にカーバンクルを乗せた少女、それに屋敷妖精、やつれはてた中年男だ。
そもそも、辺境の村でよそ者が来ることは少ない。怪しまれてもおかしくないのだ。
しかし、店主は、カイルを見て慌てて帽子を脱ぎ頭を下げた。