可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「カイル様! お帰りで!!」
「もー! 大袈裟なのは、やめてって言ってるでしょ?」
カイルが少し拗ねたように言うと、店主は笑った。
「すみません。お帰りなさい。カイル様」
「うん。ただいま。それで、この人たちが住む家を探しているんだけど……。工房室付の物件はあるかな? この人たちの身元は僕が保証するよ」
カイルの言葉にルシアは瞳を輝かせた。
「工房室付物件……!!」
「うん、だって、ルシアは魔導具を作ったり修理したりしたいでしょ?」
「さすがカイルね! 私のこと、わかってる!!」
ルシアはキラキラした目でカイルを見上げた。
カイルはテレテレとして頬を掻く。
微笑ましいふたりの様子を、店主とファクト子爵は見守った。
「では、この物件などはいかがでしょう?」
店主はカイルの顔色を窺いながら、ひとつの物件を案内してきた。