可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
ジュワリとキノコからソースが口いっぱいに広がる。サッパリとしたレモン汁とバターが絡まり合い、旨味の中にコクと酸味が利いている。
「っ! 美味しいぃ~!! これは絶対名産になるわ!!」
幸せそうにキノコを頬張るルシアを見て、カイルまで幸せになってくる。
(この笑顔を守りたい。そのためにはなんだってできる)
カイルはそう思い、ルシアを見つめる。
ルシアはそんなカイルの視線を受け、ハッとした。
カイルもポルキノコを欲しがっているのだと思ったのだ。
「はい、あーん!」
ルシアはまるで当たり前というように、ポルキノコのソテーをカイルへ差しだす。
ニィとお菓子を分け合うときの癖が出たのだ。