可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「え!? この格好で歩いて行けって言うの?」
ルシアは思わず呟く。
使用人たちは、そそくさと逃げてしまった。
しかし、どうしようもない。パーティーを欠席すれば、またなにか言われるだろう。そのうえ、食事を抜かれたり、面倒な仕事を押しつけられたりするに決まっていた。
「おとぎ話だったらこんなとき、魔法使意のおばあさんが現れて助けてくれるんでしょうけれど」
ルシアは小さく笑う。ここヒベルヌス王国では魔法が発達していない。発達していたとしても、魔法使いがルシアを助けに来てくれるとはとうてい思えなかった。
ルシアはうんざりしつつ、とりあえず辻馬車でも捕まえるしかないと、屋敷の門を出た。
するとそこには、豪華な馬車が一台止まっていた。