可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「いいんです。まずは魔導具のことを知ってもらえたらと思って」
ルシアは微笑んだ。
便利な魔導具に使い慣れれば、欲しくなることは目に見えていた。それにルシアには蓄えもある。
なにより、みんなに魔導具を使ってもらい、魔導具に親しんでほしかった。
万屋の店主は、長いため息をついた。
「ルシアちゃんはなんとも心配だねぇ……。いくら魔導具作りが上手でも、商売に向かないんじゃないのかい? よし、おいちゃんが手助けしてやろう! いろんな人に紹介してやるよ」
「ありがとうございます!」
「で、この店ではなにができるんだい? 魔導具の販売と貸し出しと?」
「修理とオーダーメードも承ります。それに、使い方がわからなくなった物の使い方も教えますよ! 壊れた物も修理しますし、いらない物は買い取ります!」
「ほう! 魔導具の便利屋だな」
万屋の主人は笑った。