可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「私はシグラ王国の第一王子の命でやってきた者だ。ルシア殿、ぜひ、第一王子専属の宮廷魔導具師になってはくれないか」
「嫌です!!」
ルシアは即答した。
男たちは呆気にとられる。
「は? 嫌……だと? 嫌だと言ったのか?」
「王家の誘いを断るヤツがいるのか? 信じられない」
ザワつく男たちに、ルシアはハッとした。
胸元でウルカヌスがクスクスと笑っている。
「あ、いえ、その。私には宮廷でのお仕事など務まらないので……ほら、無礼ですし?」
モゴモゴとルシアが付け足すと、顎髭の生えた男は笑った。
「条件を話していなかったな。毎月の給与と、王宮内に専門の工房、それに使用人もつける。新しい発明ごとに追加の……」
「条件とか、聞きません! なんと言われても無理ですー!!」
ルシアは半泣きで耳を塞いだ。