可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

 もう、誰かの下で働くのは嫌だった。どんなに好条件でも、自由に勝るものはない。

 ルシアの必死な形相を見て、男は笑って頷いた。

「わかった。気が変わったらこれを持って尋ねてきてくれ」

 そう言って、先ほどカラクリ箱から取り出したカードをルシアに押しつけた。

「あの!」

 ルシアが辞退しようとすると、男は笑った。

「これは、そのカラクリ箱を直し、開けた褒賞の一部だ。なにかのようで王宮へ来る機会があったら、これを門番にみせるといい。すぐに案内してくれるだろう」

 そう言うと、男たちはルシアの工房をあとにした。
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