可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
ファクト子爵家は、王宮で代々魔導具官長を務めているジューレ侯爵家のもとに使えてきた。
ジューレ侯爵家はヒベルヌス王国の魔導具省長官を代々歴任しており、魔導具に関しては絶大な権力を持っているのだ。
彼女が修理しているのは、そんなジューレ侯爵の依頼で作ったダイエット用の魔導具ウォーキングマシーンだ。最初の三日ほど使ったとは聞いていたが、そのあと埃を被っていた。
ちなみに、ジューレ侯爵は彼女の未来の舅である。ルシアはジューレ侯爵の息子レモラと政略的な婚約をしているのだ。
「それにしても、今までまったく使っていなかったのに、突然直せなんて言うなんて。直すのは楽しいからいいんだけど、このあと、卒業パーティーなのよね。これを理由にパーティーを欠席したらダメかしら?」
ルシアは思わずぼやく。魔導具オタクのルシアにしてみれば、パーティーよりも魔導具を修理しているほうが楽しいのだ。
<若い身空の娘がなにを干からびたことを……>
魔導具にかざしていた楕円のペンダントが、呆れたように呟いた。ペンダントに宿る火の精霊ウルカヌスである。
ジューレ侯爵家はヒベルヌス王国の魔導具省長官を代々歴任しており、魔導具に関しては絶大な権力を持っているのだ。
彼女が修理しているのは、そんなジューレ侯爵の依頼で作ったダイエット用の魔導具ウォーキングマシーンだ。最初の三日ほど使ったとは聞いていたが、そのあと埃を被っていた。
ちなみに、ジューレ侯爵は彼女の未来の舅である。ルシアはジューレ侯爵の息子レモラと政略的な婚約をしているのだ。
「それにしても、今までまったく使っていなかったのに、突然直せなんて言うなんて。直すのは楽しいからいいんだけど、このあと、卒業パーティーなのよね。これを理由にパーティーを欠席したらダメかしら?」
ルシアは思わずぼやく。魔導具オタクのルシアにしてみれば、パーティーよりも魔導具を修理しているほうが楽しいのだ。
<若い身空の娘がなにを干からびたことを……>
魔導具にかざしていた楕円のペンダントが、呆れたように呟いた。ペンダントに宿る火の精霊ウルカヌスである。