可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
もう、ルシアの実力はシグラ王国に知れ渡ってしまった。第一王子に限らず、彼女を手元に置きたいと思う者は多いだろう。
実際、セファ領主にもルシアを紹介してほしいと頼まれていた。
自由を愛するルシアを守りたくて、カイルはそれを断ってきたが、いつまでも通用するとは思えない。
(このまま、セファ領で商人として生きるか、王宮に戻って第三王子として生きるか)
カイルはルシアを見た。
(でも、ルシアは王宮は嫌だという……。僕が王子だと知ったら距離を置かれてしまうかもしれない)
ルシアはキョトンとして小首をかしげる。
それにあわせてバンクも小首をかしげた。