可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
ジューレ侯爵は頭を下げた。
「愚息がご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」
屈辱に唇を噛み、レモラを睨む。そして、レモラの頭を荒々しく掴むと、むりやり頭を下げさせた。
「なんだ、あの謝罪は。お前ごときが、ここにいる皆様の時間を奪ったのだぞ? しっかり謝罪しろ」
ジューレ侯爵に叱責され、レモラは拳を握りしめる。
「……このたびは誠に申し訳ございません。実は、元婚約者の技術が悪く、贈られた時計が粗悪品で壊れてしまい……」
レモラが言うと、チッと舌打ちする声が聞こえてきた。