可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「それにしても、最近のレモラくんはどうしたのかね? 今まではこんなにだらしなくはなかっただろう?」
「婚約者を変えてから人が変わったようだと噂だよ。女性に溺れて本分を忘れるようではね……」
「まぁまぁ、こんな話を続けていてもしかたがない。今日のところは侯爵の親心に免じて……。レモラくんも席に着きなさい」
議長に言われ、レモラは屈辱の中、自席に着く。
しかし、そこからの議題はさらにジューレ侯爵家を苦しめるものだった。
ルシアがいなくなってから遅延している王宮魔導具のメンテナンスについて、早急な改善を求められる内容だったからだ。
「さて、王宮魔導具のメンテナンスについてだが……。魔導具省長官のジューレ侯爵、修繕の見通しは立ったのかね?」
「もう少しお時間をいただきたく」
ジューレ侯爵が答える。
じつは、レモラが修繕をしてみているのだが上手くいかないのだ。
いままではルシアに任せきりで、自分の仕事を覚えようとしてこなかったつけが今になって回ってきた。