可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

「君の母親が、昔からファクト子爵家に使えてきた者をクビにしたからだろう?」

「……だって、それは、私たちに意地悪言うから……。私たち女なのに『魔導具の知識がない』なんて言うのよ? 酷いでしょう?」

「事実じゃないか。ファクト子爵家なのに魔導具のひとつも直せないなんておかしいだろう」

 レモラが冷たく言い、ミゼルは瞳を潤ませた。

「レモラ様、酷い……」

 メソメソとするミゼルを見て、レモラはげんなりとする。

 さっきまでは可愛らしく見えた泣き顔も、鬱陶しく思える。

「ルシアはこんなことでメソメソしなかった」

 レモラの言葉に、ミゼルはバッと顔を上げた。
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