可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「お継姉様と比べるなんて酷い!!」
「しかたがないだろう? 君が婚約者になってから俺は非難されてばかりだ。婚約者なら、この時計、君がちゃんと管理しろよ! よく止まって困るんだ!」
レモラはルシアから貰った腕時計を指さす。
「まだ、お継姉様の腕時計をつけているんですか!! 外してくださいって、私、何度も言ったのに……!」
「だったら、これより良い時計をくれればいい。そうしたら、これを捨ててやる」
レモラは言う。
「そんな……、それはお継姉様が作った世界でひとつしかない高機能魔導具時計よ? 予定を記憶して教えてくれるなんて、そんな時計ほかにはないです。なんでそんな意地悪言うんですか?」
「意地悪じゃないだろ。便利でほかに変わりがないんだ、ルシアに未練があるわけじゃない。そんなわかりきってることなのにキーキー騒ぐなよ」